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「キラルカラム」カテゴリー (17件を表示)
CHIRALPAK IA~IKカラムを使用するとき、移動相以外の溶媒でサンプルを溶解しても良いですか?

一般的に、いかなる場合でもサンプル溶解溶媒には移動相が最適です
移動相よりも溶出力の大きい溶媒で溶解したサンプルを注入する場合にはご注意ください。一般にピークの変形を引き起こす可能性があり、分析結果に影響を及ぼす可能性があります。

 

特に分取クロマトグラフィーにおいて、良溶媒で調整された高濃度サンプルを注入すると、溶解性の乏しい移動相と接触することで、カラムの中で析出する可能性があります。もし充填剤とサンプルとの吸着が移動相の溶出力よりも大きければ、さらなる問題が生じます。このような場合、サンプルが充填剤に吸着してカラムの中に残ってしまい、選択性や今後の分取効率に影響を与えます。

 

しばしば、サンプル溶解溶媒にジメチルスルホキシド(DMSO)が使用される場合があります。
この溶媒は耐溶剤型キラルカラムに対して恒久的な悪影響を与えませんが、移動相組成によってはカラムにDMSOが吸着することがあります。DMSOで希釈したサンプルを繰り返し注入した場合には、CHIRALPAK IAではカラム効率の減少が徐々に引き起こされますが、DMFで時折フラッシングすることにより元に性能に戻すことが出来ます。

 

CHIRALPAK IBでは、DMSOで希釈したサンプルの注入は推奨しておりません。IBではカラムにDMSOが吸着することで、即座に著しいカラム効率の低下を引き起こすためです。DMSOを取り除くために、通液方向とは逆側からフラッシングして下さい。もちろん、固定相は固定化されていますので、一連の操作においてもカラムの安定性には何ら問題ございません。

CHIRALPAK IA~IKはそれぞれどのような違いがあるのでしょうか?

一般に、CHIRALPAK IA~IKの分離適用範囲は相補的であり、それぞれ異なるキラル化合物群を分離することができます(もちろん、1本のカラムだけでなく複数のカラムで分離するサンプルもあります)。

 

コーティング型キラルカラムで使用している移動相(ヘキサン/アルコール)に加え、さらに広範囲の移動相を使用することで、非常に多くの光学異性体分離が可能となります。

CHIRALPAK IA~IK(耐溶剤型キラルカラム)とコーティング型キラルカラムの相違点、類似点は何ですか?

■相違点

耐溶剤型キラルカラム(iCHIRALシリーズ)に使用されている充填剤のキラルセレクターは、コーティング型キラルカラムと異なりシリカゲルに化学的に固定化されていますこの固定化によって、4つの大きな利点があります。

 

①コーティング型での禁止溶媒の使用による充填剤の破壊的な性能変化の心配があるません。耐溶剤型キラルカラムはシリカゲル系のHPLC用カラムで使用できる全ての有機溶媒を使用することができます。

 

②コーティング型では使用できないTHFや酢酸エチル、塩素系溶媒等を使用できるという利点があります。これらの溶媒を用いると、従来コーティング型で用いられている移動相とは異なる選択性を示す場合がありますので、それぞれのエナンチオマーを分離できる可能性が高くなります。

 

③「コーティング型キラルカラム」を順相モードで使用する場合は、「順相用コーティング型キラルカラム」を、逆相で使用する場合は、「逆相用コーティング型キラルカラム」のご使用をお薦めしております。

しかし、耐溶剤型キラルカラム(iCHIRALシリーズ)」は順相モード、逆相モード、どちらのモードでも使用することができます。

 

④分取用途においても、THFや酢酸エチル、塩素系溶媒等の使用によりサンプル溶解性を高め、分取生産性を飛躍的に高められる場合があるため、分取の効率化が期待できます。

 

各種耐溶剤型キラルカラムもセミ分取サイズ (10 mmx 250mm 、20mm x 250mm) のカラムをご用意していますので、ご活用ください。

 

■類似点

耐溶剤型キラルカラム(iCHIRALシリーズ)とコーティング型キラルカラムとの類似点は、キラルセレクターです。

CHIRALPAK IA   ⇔ CHIRALPAK AD-H
CHIRALPAK IB/IB N-5   ⇔ CHIRALPAK OD-H
CHIRALPAK IF   ⇔ CHIRALPAK AZ-H
CHIRALPAK IH   ⇔ CHIRALPAKAS-H
CHIRALPAK IJ   ⇔ CHIRALPAKOJ-H
は、同じキラルセレクターを使用しています。

 

CHIRALPAK IA ⇔ CHIRALPAK AD-H間での違いは、固定相の結合様式にあります。
耐溶剤型キラルカラム(iCHIRALシリーズ)はポリマーが固定化されることによってわずかに構造に影響を受け、コーティング型と比較すると選択性に若干の違いが見られます。

その影響は良い場合も悪い場合もあります。しかし、耐溶剤型キラルカラムの各種溶媒に対する高い安定性や、幅広い種類の溶媒を使用することによる分離向上の可能性を考えると、耐溶剤型キラルカラム(iCHIRALシリーズ)をまず選択することをお勧めします。

また、CHIRALPAK IC/ID/IE/IG/IKはコーティング型充填剤にはないユニークなキラルセレクターであるため、既存の充填剤では得られない「特別な分離」が期待できます。

CHIRALPAK IA~IKを使うメリットは何ですか?分析をする場合、コーティング型キラルカラムと耐溶剤型キラルカラムのどちらを選べばいいですか?

新しく分離検討を行う場合、特別な事情がなければ、耐溶剤型キラルカラムを選択することをおすすめします。

コーティング型キラルカラムは”使用禁止溶媒”がありますが、耐溶剤型キラルカラムは、THFや酢酸エチル、塩素系溶媒といった強力な溶媒に対しても安定して使用できるという利点もあります。

これらの溶媒を用いると、コーティング型キラルカラムで用いられてきた移動相と比較して、しばしば異なる選択性を示すことがありますので、分離の可能性が高くなります。

 

コーティング型キラルカラムでなければならない事情がある場合(例えば、耐溶剤型キラルカラムではまだ承認されていないバリデートされた分析条件を使用する場合、既存の分析条件で満足な分離が得られる場合)、耐溶剤型キラルカラムよりもコーティング型キラルカラムが適切かも知れません。

 

また、耐溶剤型キラルカラムで色々な溶媒を用いて分析条件を試したが十分な分離が得られていない場合には、コーティング型キラルカラムをご使用ください。

CHIRALPAK IA~IKで使用する有機溶媒や添加剤に違いはありますか?

CHIRALPAK IA~IKでは、すべて同じ溶媒、添加剤を使用できます。コーティング型キラルカラムと同様に添加剤-塩基性サンプルを分析する際にはジエチルアミン(DEA)、酸性サンプルを分析する際にはトリフルオロ酢酸(TFA)を使用することができます。

 

CHIRALPAK Ⓡ IB/IB N-5で塩基性サンプルを分析する場合、添加剤としてDEAを使用するよりも、エタノールアミン(EtNA)、n-ブチルアミン(n-BuA)、特にエチレンジアミン(EDA)を使用した方が、選択性やピーク形状が良くなるケースが多いことがわかっています。

 

よく使われる方法として、分離サンプルのアミン官能基に似た構造のアミン官能基を持つ塩基性添加剤を加える方法があります。

光学分割したいサンプルがあるのですが、どのカラムを使えばいいでしょうか?

下記4つの方法で分離条件を見つけることができます。(詳しくはこちらのページをご参照ください。)

 

①キラルアプリケーションサーチ
分離例を掲載した専用サイト「キラルアプリケーションサーチ」(ユーザー登録不要)をご用意しております。
こちらをクリック

 

検索でヒットした分離例を参考に、分離検討を行ってください。

 

②分離情報ご提供サービス

分離対象化合物の構造をお送りいただければ、文献検索の技術的なサポートをいたします(お問い合わせフォーム)。

構造開示が難しい場合、類似構造を持つ一般的な化合物名、あるいは特定の誘導体の化合物名をお送りいただければ、構造検索を行うことができます。多くの場合、弊社キラルカラムを使用した対象化合物の分離、あるいはその類似化合物の分離がすでに文献で報告されています。この検索をもとに、お客様の化合物に対して最も有望なカラムを推奨いたします。

 

③カラムスクリーニングサービス

ダイセルでは、カラムスクリーニングサービス無償で行っております。お客様からサンプルをご提供いただくことで、最も適していると考えられるキラルカラム(耐溶剤型キラルカラムとコーティング型キラルカラムの両方を含む)を使用して、スクリーニングを行います。

・キラルカラムスクリーニング 詳細はこちらから
お問い合わせフォーム

 

不斉中心を2個以上含む化合物の場合、スクリーニングと最適化に2週間以上の検討期間が必要になる場合があります。

 

④レンタルカラム/デモカラム サービス
サンプルのご提供が難しく、③カラムスクリーニングサービス をご利用いただけない場合は、レンタルカラム/デモカラムサービスがございます。
・ご希望のカラムを無償でお貸出し
・貸出し期間:2週間
・品種、サイズによってはお貸出しできない場合もございますので、まずはお問い合わせください。(お問い合わせフォーム)

耐溶剤型キラルカラムを使って分離メソッド開発する場合、どのように進めればよいのでしょうか?

耐溶剤型キラルカラムを含む多糖誘導キラルカラムは、サンプルの構造から最適な多糖系キラルカラムを選択することは困難なため、通常カラムスクリーニングを行います。

 

検討方法について、こちらのページで動画でわかりやすく説明しております。

 

■順相での検討
・移動相の添加剤:パートIV
・推奨移動相条件:パートIII

 

■逆相での検討
・分析前の準備から分析条件設定まで:パートVI(前編)
・分析条件設定からカラムの洗浄、保管まで:パートVI(後編)

キラルカラムにはどのような溶媒を使用できますか?

キラルカラムご使用前に、カラムと一緒に出荷されている取扱説明書を必ずご確認ください

 

耐溶剤型キラルカラム(CHIRALPAK IA~IK)は一般的なHPLC用カラムで使用できる全ての溶媒を使うことができます。

コーティング型キラルカラムでは、使用可能溶媒が制限されています

 

しかし、以下の簡単な予防策を取っていただくことで、カラムを長期間安定して使用することができます。

取扱説明書にはカラム毎に使用可能な溶媒が記載されています。取扱説明書の冒頭に書かれている、使用禁止溶媒に関する注意書きを入念にご確認ください。

 

また、混合溶媒として許容範囲にある溶媒もまとめられています。3種類の溶媒の混合は、多糖ポリマーの溶解性が知られておらず、ポリマーの溶解性が高まる危険性もあります。

耐溶剤型キラルカラムとは大きく異なり、コーティング型キラルカラムでは酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、THF、DMSOのような溶媒は絶対に使用しないでください。

 

そのような溶媒を通液すると、カラムヘッドで多糖ポリマーが溶解し、溶媒が希釈されたときにポリマーが再沈殿することによって、カラムが詰まる可能性があります。
・使用禁止溶媒をサンプルの溶解溶媒として使用した
・使用禁止溶媒が配管(オートサンプラーのラインを含む)に残っていた
など、使用禁止溶媒が少量でも混入することで、カラムの性能を低下させる、あるいはカラムを破壊する原因となります。

 

サンプル中に微量に使用禁止溶媒が残存している場合でも、カラムの寿命を短くすることがあります。これらの理由からも、耐溶剤型キラルカラムCHIRALPAK IA~IK/の使用をお薦めします。

 

取扱説明書に記載のない特定の溶媒が使えるかどうか分からない場合、使用する前に弊社までお問い合わせください(お問い合わせフォーム)。

逆相条件でキラル分析したいのですが、どの「カラム」と「移動相」が使えますか?

多糖誘導体キラルカラムでは、
耐溶剤型キラルカラム
コーティング型逆相用キラルカラム (名称にRの付くキラルカラム)
が逆相条件でお使いいただけます。

 

移動相の有機溶媒成分としてTHF、アセトン、ジオキサンなど
「耐溶剤型キラルカラム」のみで使用できます。
アルコール(メタノール、エタノール、2-プロパノール)やアセトニトリル
「耐溶剤型キラルカラム」「コーティング型逆相用キラルカラム」どちらのカラムで使用することができます。

一般的なHPLC用逆相カラムで使用されている水溶液とpHやイオン強度が同じ水溶液であれば、カラムは安定して使用できます。

 

「耐溶剤型キラルカラム」「コーティング型逆相キラルカラム」ともにpH2~pH9の範囲で安定に使用することができます。pH2のギ酸水溶液とpH9の20mM炭酸水素アンモニウム水溶液(ジエチルアミンでpHを調整)がそれぞれ酸性、塩基性サンプルに対する第1推奨移動相溶媒です。

上記条件で満足な分離が得られない場合は、pH=2のリン酸水溶液とpH=9の20mMホウ酸緩衝液をそれぞれ酸性、塩基性サンプルに対してご使用ください。ただし、これらの溶媒は初期検討の推奨条件であるということにご注意ください。

より低い濃度の緩衝液、もしくはpH2からpH9の間で最も良い分離が得られることが多くあります。

また、セルロース系のカラムは、塩基性サンプルに対してイオンペア型クロマトグラフィー挙動を利用した0.1Mヘキサフルオロリン酸カリウム水溶液で良い分離が得られることがあります。

1.標準的な移動相とその溶媒比

サンプルの性状 酸性化合物 中性化合物 塩基性化合物
水溶液 ギ酸水溶液(pH2.0) DEAでpH9.0に調整した20mM
炭酸水素アンモニウム水溶液
有機溶媒 アセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール
標準的な移動相組成 水溶液/有機溶媒※2

※2 水溶液/有機溶媒=90/10~0/100の範囲でご使用になれますが、水溶液/アセトニトリル=60/40から検討を始めることをお奨めします。

 

2.その他の移動相(1の移動相で十分な分離が得られなかった場合にご使用下さい。)

サンプルの性状 酸性化合物 塩基性化合物
アミロース系カラム
CHIRALPAK AD-RH/AD-3R,AS-RH/AS-3R,
AY-RH/AY-3R
50~100mM リン酸緩衝液(pH2.0) 20mMホウ酸緩衝液pH9.0
リン酸水溶液(pH2.0)
セルロース系カラム
CHIRALCEL OD-RH/OD-3R,OJ-RH/OJ-3R,
OZ-RH/OZ-3R
50~100mM リン酸緩衝液(pH2.0) 100mM KPF6(またはNaPF6)水溶液
リン酸水溶液(pH2.0) リン酸でpH2.0に調整した
100mM KPF6(NaPF6)水溶液
リン酸でpH2.0に調整した
100mM KPF6(NaPF6)水溶液

 

耐溶剤型キラルカラム(5µm)で逆相条件で検討方法について、動画でわかりやすく説明しております。
※下記動画は「コーティング型逆相用キラルカラム」には適用できませんので、ご注意ください。

 

■「動く取扱説明書」逆相での検討
・分析前の準備から分析条件設定まで:パートVI(前編)
・分析条件設定からカラムの洗浄、保管まで:パートVI(後編)

どのような添加剤を、どのような濃度で使用すれば、ピーク形状が改善されますか?

添加剤の有無、種類は、分離したい「サンプルの性状(酸性、中性、塩基性)」によって異なります。

 

■サンプルが中性の場合、添加剤を必要としません。

 

■酸性サンプルの場合

→ 酸性の添加剤

・トリフルオロ酢酸

 

■酸性あるいは塩基サンプルの場合
→ 塩基性の添加剤

・ジエチルアミン
・エチレンジアミン
・エタノールアミン
・n-ブチルアミン

 

一般的には添加量は0.1%を目安にご使用ください。分離を確認しながら0.5%を上限に加えることができます。

 

※酸性あるいは塩基サンプルは多糖誘導体キラルカラムに吸着しやすく、結果としてピークのテーリングやブロードニングが見られます。この吸着はカラムの担体であるシリカゲルの最も活性な部位で起こります。この問題を克服するためには、この活性部位に選択的に吸着される化合物を移動相に加えます。そうすることで活性部位にはサンプルの代わりに添加化合物が吸着し、サンプルを吸着しなくなります。

光学異性体を分け取りたいサンプルがあるのですが、ダイセルではどのようなサービスを提供していますか?

ダイセルでは、「受託分取サービス」を行っております。
素早く高純度な光学活性体を得たいが、「時間がない」、または「分析条件をスケールアップして単離するための設備がない」場合などに、受託分取サービスをご活用下さい。

 

本サービスをご依頼の場合は、ダイセル営業担当にお問い合わせ下さい(お問い合わせフォーム)。
検討開始にあたり必要に応じて「秘密保持契約」を締結致します。

 

最初に、見積もりのためのサンプルのご提供をお願い致します。ダイセルの熟練したスタッフが様々なキラルカラムを用い、最適なカラムおよび最適な分取条件を決定します。分取条件が見つかりましたら、分取サービスをご利用頂く場合の見積書を提出させていただきます。 (詳細は受託分取のページをご覧下さい)。

サンプルがヘキサン-アルコールに溶解しません。サンプル溶媒には何を使用したら良いでしょうか?

分析を目的とする場合、通常サンプル濃度を高くする必要はありません。

 

通常は移動相と同じ組成の溶媒に1mg/mLかそれ以下のサンプルを溶解すれば十分です。

 

サンプルが塩基の酸性塩である場合、サンプル溶媒にジエチルアミンを0.1%添加することにより、サンプルが通常より溶解度の高いフリー塩基になり、移動相への溶解性が向上することがあります。
サンプルが酸の塩である場合、トリフルオロ酢酸を0.1%添加することにより、移動相への溶解性が向上することがあります。

 

耐溶剤型キラルカラムを使う場合は、サンプルの溶解性が高い他の移動相をお試し下さい。
分析目的の場合は、サンプルの注入量が少ないため、特に、選択したサンプル溶解溶媒が移動相と同程度の溶媒強度を持つ場合はサンプル溶解溶媒が結果に与える影響はほとんどありません。

 

しかし、分取目的の場合には、注入サンプルが移動相と混ざったときに、サンプルが析出する可能性があるので注意が必要です。その場合、移動相の溶解性を上げるために、サンプル溶液に使用する溶媒を移動相に混ぜて使用することをお勧めします。

 

コーティング型キラルカラムを使う場合は、サンプル溶媒として、100%メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトニトニトリルをお試し下さい。これらの極性溶媒は、弊社のほぼ全てのキラルカラムに使用できます。

 

トルエン、クロロホルム、塩化メチレン、tert-ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジンなどの溶剤をコーティング型キラルカラムへ注入するサンプル溶媒として使用しないでください。
これらの溶媒がサンプルに少量でも含まれている場合、キラルセレクターである多糖誘導体ポリマーが溶出し、カラムの寿命が著しく短くなる可能性があります。

 

サンプルが水系溶媒にしか溶解しない場合、CHIRALPAKⓇ IA~IK、CHIRALPAKⓇ AD-RH/AS-RH/AY-RH、CHIRALCELⓇ OD-RH/OJ-RH/ OZ-RHカラムを、逆相モードで使用してください。

 

逆相モードでは、移動相と希釈溶媒にメタノール/水、エタノール/水、イソプロピルアルコール/水、アセトニトリル/水が使用できます。カラム毎の逆相移動相組成の制限については取扱説明書を参照して下さい
キラル固定相の担体であるシリカゲルが溶解することを避けるために、移動相のpHは2~9の間で使用し、特にpH7~9ではガードカートリッジを必ず使用して下さい。

分析条件から分取条件へのスケールアップはどのようにしたら良いでしょうか?

分析条件からセミ分取での分取条件へのスケールアップは、単純な計算だけで、簡単に行うことができます。

分離したいラセミ体を光学分割することが目的の場合、まずは分析カラムを使用して最大負荷条件を決定して下さい。

分離可能な条件が複数ある場合は、それぞれの条件について負荷試験を実施し、最も負荷量を増やすことのできる条件を選択してください。

負荷試験を実施する際には、まずラセミ体サンプルを移動相と同じ組成の溶媒に、できるだけ高濃度になるように溶解させます

エナンチオマーピーク同士の谷間が上昇するギリギリまで注入量を増やし、過負荷になる直前の注入量を調べます。

負荷量の実験値(WE)は、負荷量の実験値(WE)=ラセミ溶液の最大濃度(Cmax)×過負荷になる直前の最大注入量(VAmax)という関係式から求まります。おおよその目安として、分析カラムでの一般的なWE値は1~10mg/injectionです。

4.6mm×250mmの分析カラムの相対的な負荷量(LCR)を媒1媒と仮定すると、各カラムサイズでのLCRと流速は下表のようになります。

「どのくらいの負荷量にすれば良いでしょうか?」は、(WE)×(LCR)によって求まります。分析カラムでの負荷量が一般的な1~10mgであれば、2×25cmのセミ分取カラムでの負荷量は一般に19~190mg/injectionになります。

 

カラムサイズ(直径×長さ) 充填材の量(g) 負荷容量(相対値) 流速(ml/min)
0.46 x 25 cm 2.50 1 1.0
1 x 25 cm 11.8 5 5.0
2 x 25 cm 47.4 19 19
5 x 50 cm 592 250 50
10 x 50 cm 2370 1000 200

 

「どのサイズのカラムを使えば良いですか?」という質問がよくありますが、それは、お客様が何回インジェクションを行うかで決まります。それは以下の式を用いて算出することができ、ご希望のカラムサイズを決定することができます。

お客様の目的を達成するために必要なカラムのLCRの値はいくらですか?

 

例:ある研究者はラセミ体から各光学活性体1gを分離する必要があります。30分間のインターバルでサンプルを注入し、24時間の間に48回注入を行うことを妥当であると判断しました。分析カラムを使用した時の最大負荷量は2mg = 0.002g(各光学活性体1mgずつ)です。48回の注入で各光学活性体1gを取得するために要求されるLCRの値はいくらになりますか?

 

求めると以下のようになります。

表を参照すると、今回最適なカラムはLCR=19の20mm×250mmカラムとなります。

 

「私が持っているセミ分取カラムにはどれくらいの負荷を乗せられるでしょうか?」という質問がよくあります。負荷量はサンプルや分離度、溶解性などにより異なりますので、まず分析カラムにより最大負荷量を調べて下さい。

セミ分取カラムでの負荷量は、分析カラムでの最大負荷量にセミ分取カラムのLCR値を掛けることで求まります。つまり、WPREP=WE×LCRです。また、分析カラムでの注入量にセミ分取カラムのLCR値を掛けると、そのセミ分取カラムでの注入量が求まります。つまり、VPREP=Vamax×LCRです。

コーティング型キラルカラムの製品名の「H」と「3」の違いを教えて下さい。

順相用コーティング型キラルカラムの場合、
製品名にHが付くもの(AD-Hなど):直径5μmの粒子を使用
製品名に3が付くもの(AD-3など) :直径3μmの粒子が使用 されています。

 

AD-HとAD-3は、同じキラル固定相が使用されています。

充填剤の粒子径が小さくなることにより、同じ選択性を持ちながら、より高い分離度を発揮します。

そのため、粒子径の大きなカラムでは分離が困難な場合や、不純物のピークが目的成分のピークに重なってしまうような場合、より有効です。

 

分析のスピードを重視する場合は、粒子径の小さい充填剤でカラム長の短いカラムを使用することをお勧めします。

 

コーティング型逆相用キラルカラムの場合、
製品名にRHが付くもの(AD-RHなど):直径5μmの粒子を使用
製品名に3Rが付くもの(AD-3Rなど) :直径3μmの粒子が使用 されています。

 

耐溶剤型キラルカラムの場合、分析用カラムは
直径5μmの粒子径 →CHIRALPAK IA
直径3μmの粒子径    →CHIRALPAK IA-3   と表記しています。

キラルカラムを使用するときの、注意点は?

①カラムに同封されている取扱説明書を必ずお読み下さい。
耐溶剤型キラルカラムとコーティング型キラルカラム、そしてコーティング型キラルカラムでも品種ごとに安定性に大きな違いがあります。

 

②カラムを取り付ける前に、HPLC装置全体(サンプルループ、オートサンプラー洗浄液(使用している場合)、検出器を含む)を適切な溶媒に置換してください。

 

③カラムをできるだけ長くご使用いただくために、推奨溶媒を使用してください。

特にコーティング型キラルカラムで推奨溶媒以外の溶媒の使用を検討されている際には、弊社までお問い合わせください。注意:推奨溶媒以外の溶媒については、あらゆる混合比での安定性や、長期間使用したときの安定性を評価しているわけではありません。そういった溶媒を継続的に使用することにより、カラムの寿命を著しく短くする可能性もあります。

 

④推奨の最大圧力限界以上でカラムを使用しないで下さい。

 

⑤長期間カラムを保管するときは、酸や塩を含む溶媒(緩衝液や添加剤)をカラム中に残さないで下さい。
取扱説明書に記載されている各カラムに適した推奨の保管方法に従ってください。

 

カラムに添付されてくる取扱説明書や出荷成績書は大切に保管してください。
出荷成績書を捨ててしまったり、なくしてしまったときには、弊社までお問い合わせ下さい(お問い合わせフォーム)。再発行させていただきます。分離に問題が生じたときに、出荷成績書の新品時と比べて同じ分離性能があるかを比較することができます。

ガードカートリッジ/ガードカラムは必要ですか?

分析カラムをご使用の際には、ガードカートリッジをお使いください。

充填剤に吸着する不純物や、充填剤を溶解させてしまうような溶媒から本体カラムを保護することを目的としてガードカートリッジを使用します。本体カラムを長期間安定してお使いいただくために、ガードカートリッジのご使用を推奨します。

 

ガードカートリッジの交換時期は、クロマトの形状で判断して下さい。

 

【チェックポイント】

・ピークの間隔が狭くなってきた

・ピークの形状が悪い(ブロードになった、テーリングが目立ってきたなど)

・システム圧が上がった

 

ガードカートリッジは、分析カラムやセミ分取カラムと「同じ充填剤が充填されたガードカートリッジもしくはガードカラム」をご使用ください。本体カラムと異なった品種のガードカラムを使用すると、異常吸着などにより分離に悪い影響を及ぼす可能性もあります。

 

ガードカートリッジホルダーと本体カラムを繋ぐため、短い接続用の細い配管をご用意ください。

ガードカートリッジのご使用には、ガードカートリッジホルダーが必要です。各品種ごとにカートリッジを取り揃えておりますが、ガードカートリッジホルダーはタンパク質系カラムを除く全てのガードカートリッジで共通してお使いいただけます。

CHIRALPAK IA~IKにはどのような溶媒が使用できますか? 耐溶剤型キラルカラムで使用してはいけない溶媒はありますか?

CHIRALPAK IA~IKはシリカゲル系のHPLC用カラムで使用できる全ての有機溶剤を使用することができます。

 

・ヘキサン or ヘプタン/アルコール
・メタノール
・2-プロパノール
・エタノール
・アセトニトリル
・ジクロロメタン
・クロロホルム
・テトラヒドロフラン
・酢酸エチル
・アセトン
・酢酸メチル
・MTBE
・ジメチルホルムアミド(DMF)
・ジメチルアセトアミド(DMAc)

など多くの一般的な有機溶媒を使用することができます。

 

また、カラムを頻繁に使用する場合に生じる不純物による汚れや化合物が溶出しない場合、DMF、酢酸エチル、THFをフラッシングすることで手軽に洗浄できます。

 

逆相条件で分析する場合、カラムはpH2.0~pH9.0の範囲で使用して下さい。ただし、pH≧7.0で分析する場合、ガードカートリッジを用いて、分析温度は25℃以下でご使用ください。さらに、pH≧7.0では少なくとも200インジェクション毎にガードカートリッジを交換してください。