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その他の酵素
Other Enzymatic
当社では、キラルアルコールを作る酵素、キラルアミノ酸・キラルアミンを合成する酵素以外にも、様々な反応を触媒する酵素のライブラリーがあります。
入手を希望される場合は、直接当社にお問い合わせください。
1. 酸化還元酵素
1-1. 二級アルコール脱水素酵素(Secondary alcohol dehydrogenase)
ケトンを還元し、光学活性二級アルコールを合成する触媒です。
また、ラセミの二級アルコールを原料とし、片方のエナンチオマーを酸化することで光学分割も可能です。
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1-2. カルボニル還元酵素(Carbonyl reductase)
ケトンを還元し、光学活性二級アルコールを合成する触媒です。
また、ラセミの二級アルコールを原料とし、片方のエナンチオマーを酸化することで光学分割も可能です。
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1-3. α-ケト酸脱水素酵素(α-Keto acid dehydrogenase)
α-ケト酸のα位のカルボニル基を還元し、光学活性α-ヒドロキシ酸を合成する触媒です。
また、ラセミのα-ヒドロキシ酸を原料とし、片方のエナンチオマーを酸化することで光学分割も可能です。
α-ケトエステルの還元を行う場合は、通常のアルコール脱水素酵素またはカルボニル還元酵素をご使用ください。
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1-4. α-ケト酸還元酵素(α-Keto acid reductase)
α-ケト酸のα位のカルボニル基を還元し、光学活性α-ヒドロキシ酸を合成する触媒です。
α-ケト酸脱水素酵素と異なり、酸化活性はありません。
補酵素は、NADH要求性のものとNADPH要求性のものがあります。
α-ケトエステルの還元を行う場合は、通常のアルコール脱水素酵素またはカルボニル還元酵素をご使用ください。
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1-5. ジオール脱水素酵素(Diol dehydrogenase)
ジケトンを還元し、光学活性ジオールを合成する触媒です。
逆反応である酸化反応も触媒します。
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1-6. グリセロール脱水素酵素(Glycerol dehydrogenase)
ジヒドロキシアセトンを還元し、グリセロールを合成する触媒です。
逆反応である酸化反応も触媒します。
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1-7. 一級アルコール脱水素酵素(Primary alcohol dehydrogenase)
アルデヒドを還元し、一級アルコールを合成する触媒です。
一級アルコールを酸化する場合は、温和な条件下、アルデヒドで酸化は止まり、酸は生成しません。
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1-8. アルデヒド脱水素酵素(Aldehyde dehydrogenase)
アルデヒドを酸化し、カルボン酸を合成する触媒です。
脱水素酵素に分類されていますが、酸に対する還元活性は殆どありません。
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2. アミノ酸・アミン合成酵素
2-1. L-アミノ酸脱水素酵素(L-Amino acid dehydrogenase)
α-ケト酸を還元的にアミノ化し、L-アミノ酸を合成する触媒です。
また、ラセミのアミノ酸を原料とし、L体を酸化することで光学分割も可能です。
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2-2. L-アミノ酸アミノ基転移酵素(L-Amino acid transaminase)
α-ケト酸のカルボニル基にL-グルタミン酸などのアミノ酸からアミノ基を転移し、L-アミノ酸を合成する触媒です。
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2-3. L-β-ヒドロキシアミノ酸脱水素酵素
(L-β-Hydroxyamino acid dehydrogenase)
L-β-ヒドロキシアミノ酸の水酸基を酸化し、続いて起こる脱炭酸により、アミノメチルケトンを合成する触媒です。
ラセミのヒドロキシアミノ酸を原料とし、L体を酸化することで光学分割も可能です。
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2-4. L-β-ヒドロキシアミノ酸アルドラーゼ(L-β-Hydroxyamino acid aldolase)
L-β-ヒドロキシアミノ酸のレトロアルドール反応により、アルデヒドとグリシンの生成を触媒します。
主に光学分割に用います。
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2-5. L-アミノ酸脱炭酸酵素(L-Amino acid decarboxylase)
L-アミノ酸の脱炭酸を触媒します。
β位に水酸基などを有する場合、その立体を認識するため、光学分割や光学活性アミノアルコールの合成が可能です。
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2-6. D-アミノ酸酸化酵素(D-Amino acid oxidase)
空気酸化でD-アミノ酸を酸化し、α-ケト酸の生成を触媒する酵素です。
ラセミアミノ酸の光学分割に用います。
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2-7. D-アミノ酸アミノ基転移酵素(D-Amino acid transaminase)
α-ケト酸のカルボニル基にD-アラニンなどのアミノ酸からアミノ基を転移し、D-アミノ酸を合成する触媒です。
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2-8. D-β-ヒドロキシアミノ酸脱水素酵素
(D-β-Hydroxyamino acid dehydrogenase)
D-β-ヒドロキシアミノ酸の水酸基を酸化し、続いて起こる脱炭酸により、アミノメチルケトンを合成する触媒です。
ラセミのヒドロキシアミノ酸を原料とし、D体を酸化することで光学分割も可能です。
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2-9. D-アミノアシラーゼ(D-Aminoacylase)
N-アセチル-D-アミノ酸のアセチル基を加水分解する触媒です。
主に、光学分割に用います。
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2-10. L-β-ヒドロキシアミノ酸デヒドラターゼ
(L-β-Hydroxyamino acid dehydratase)
L-β-ヒドロキシアミノ酸の脱水を触媒します。
主に、光学分割に用います。
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2-11. アミントランスアミナーゼ(Amine transaminase)
ケトンのカルボニル基にsec-ブチルアミンなどのアミンからアミノ基を転移し、光学活性アミンを合成する触媒です。
逆反応を使って、光学分割にも使用できます。
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2-12. イミン還元酵素
イミンの炭素-窒素二重結合を還元し、キラルアミンを合成する触媒です。
キラルな二級アミンの合成が可能です。
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3. その他の酵素
3-1. エノン還元酵素
エノン(α,β-不飽和ケトン)などの共役した炭素-炭素二重結合を還元し、α位に不斉炭素を有するケトンなどを合成する触媒です。その際、カルボニル基は還元されません。
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3-2. グルコース脱水素酵素
D-グルコースを酸化し、グルコン酸を生成する酵素です。
NAD+ または NADP+ を補酵素としますので、NADH、NADPH を再生する酵素として用います。
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3-3. ギ酸脱水素酵素
ギ酸を酸化し、二酸化炭素を生成する触媒です。
NAD+ を補酵素としますので、NADHを再生する酵素として用います。
通常のギ酸脱水素酵素は低活性で失活しやすく、反応に用いることはできませんが、当社のFDHは変異型で、反応に十分な活性と耐性を有しています。
また、グルコース脱水素酵素を用いた再生系と比較して、系内のBODが低くできるというメリットがあります。
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