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SMB法
Simulated Moving Bed Chromatography
SMB法とは?
SMB法(擬似移動床法/Simulated Moving Bed Chromatography)は、複数本のカラムを無端円状に連結し、 移動相の流れる方向に供給口、抜き取り口を(一定時間毎に)間歇的に切り替えていき、 擬似的に固定相を移動相の流れに対して逆方向に移動させ目的成分を連続的に分離するシステムです。
SMB法の特徴
- 連続注入、連続取り出しにより、高い生産性が得られます
- 効率よくカラムを使用することにより、溶媒使用量が低減できます
- 移動相に用いる溶媒をリサイクルすることにより、さらに使用量を低減できます(パイロットスケール)
SMB法の原理
分離したい光学異性体を開いた傘と閉じた傘で考えてみます。
開いた傘を充填剤との吸着力が弱いR体、閉じた傘を充填剤との吸着力が強いS体、だと考えます。
いま、ベルトコンベアは左から右に動いています。
そして、風は右から左へと吹いています。
ベルトコンベアとの吸着力が強い閉じた傘は、ベルトコンベアと一緒に右へ移動します。開いた傘は、風に飛ばされて、左へ移動します(fig-1)。
ベルトコンベアを充填剤の流れ、風の動きを移動相溶液の流れ、とすれば、二つの傘の動きは、TMB法、つまりTrue Moving Bedの流れとなります。
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これを実現させる装置概略図がfig-2となります。
注入口からラセミ体を連続注入すると、充填剤との吸着力の強いR体は充填剤の流れ方向へ流され、抽出液(エクストラクト)として連続的に洗い出されます。
逆に、吸着力の弱いS体は、移動相溶液の流れ方向に移動し、回収液(ラフィネート)として移動相溶液とともに連続的に抜き取られます。
しかし、現実には充填剤を移動させることは不可能です。
TMB法における、充填剤の速度が0になったケースがSMB法、つまりSimulated Moving Bed法になります。
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実際は、多数本のカラムを直列に接続し、各液タンクとカラムとの接続配管の途中にロータリーバルブ等を配したシステムとなっています。
ロータリーバルブを一定時間(ピリオドタイム)毎に同時に次々と切り替えていき、各液の仕込み口、取り出し口をひとつずつ左へ順次移動させることにより行います(fig-3)。
ピリオドタイムはSMB法の運転条件を決定する際に最も重要なファクターのひとつです。
“ピリオドタイム”דカラム本数”で表されるファクターを“サイクルタイム”と呼び、バルブ切り替えにより、仕込み口、取り出し口が一周して元の位置に戻るまでの時間を言います。
このような操作を繰り返す事でラセミ体が分離できます。
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順次移動させることにより行います。
設備
数kgからTonレベルまでの分取に対応できる設備を保有しております。スピーディーな光学活性体の取得について株式会社ダイセルにご相談ください。
SMB-B(ベンチスケール)
- 搭載カラム
- 3~5cmφ
- 分取量の目安
- キラル体 1~2kg/M
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SMB-P(パイロットスケール)
- 搭載カラム
- 10~20cmφ
- 分取量の目安
- キラル体 10~200kg
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SMB-C(コマーシャルスケール)
- 搭載カラム
- 30~40cmφ
- 分取量の目安
- キラル体 1Ton~/M
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ライブラリーカラムスクリーニング
市販していないライブラリーカラムを用いて、より良い分取条件(高生産性)の確立を行います。
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