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SFC法
Supercritical Fluid Chromatography
SFC法とは?
SFC法(超臨界流体クロマトグラフィー法/Supercritical Fluid Chromatography)では移動相に超臨界流体を用います。超臨界流体はHPLC法(高速液体クロマトグラフィー法)で用いられる液体の移動相と比較して、拡散速度が数倍から数十倍速く、粘性が低いという特長を持っています。この特長によりカラムの効率が向上し、また移動相流速を高めた高速処理が可能となり、短時間分析や高い分取生産性を得ることができます。
移動相の主流体としては、臨界点(31℃、7.3MPa)が低く取り扱いが容易であること、化学的に不活性で人体に対して無害であることなどから、二酸化炭素が用いられます。これに、溶解度や極性を上げるために少量の極性有機溶媒を添加しますが、主流体が常温常圧で気体の二酸化炭素であることから、分離物を非常に容易かつ迅速に回収できます。また、有機溶媒由来の不純物混入の可能性を低減でき、より高品質な分離物が得られます。
CO2の特徴
- 臨界点が低く、取り扱いやすい
- 不活性/不燃性/低毒性
- 工業プラントの副生成物として大量に得られる
- 精製リサイクルが容易(気液分離)
fig-1に一般的なSFC装置の概略図を示します。HPLC装置と類似していますが、 SFC装置では、カラム出口に系内を超臨界状態に維持するための圧力制御弁が設置され、 また検出器には耐圧性の高いセルが用いられています。 また、高圧系内から高い収率で分離物を回収するために、 気液分離(二酸化炭素、溶媒+分離物)を効率的に行えるサイクロンを採用しています。)