キラルカラムのカラム圧が高くなってしまった・・・
■耐溶剤型キラルカラム(CHIRALPAKⓇ IA~IK)をご使用の場合
耐溶剤型キラルカラムにおいては、圧力上昇の主な原因は入り側カラムエンドにある可能性が高いです。
サンプルもしくは移動相中の不溶解物が詰まり、圧力上昇を引き起こしている可能性があります。
また、移動相よりも溶解性の良い溶媒に溶解したサンプルを注入しても詰まりが発生することがあります。すなわち、溶解性の低い移動相と混合することでサンプルが析出し、入り側カラムエンドで詰まってしまうという現象です。
カラムエンドの詰まりを解消する簡単な手法として、カラムの通液方向とは逆に通液洗浄(逆洗)するという方法があります。
このようなトラブルを未然に避けるためにもガードカートリッジを使用し、またガードカートリッジを定期的に交換することをお薦めします。
■コーティング型キラルカラムをご使用の場合
コーティング型キラルカラムで起こる突然の圧力上昇は、固定相に対する使用禁止溶媒の影響が考えられます。
もし、圧力上昇の原因が禁止溶媒がカラムに導入されたことによるものであれば、回復することは困難です。
これを避けるためには、
・カラムを接続する前にHPLC装置全体の溶媒置換を十分に行うこと
・サンプルの適切な精製(禁止溶媒の留去)
・サンプルの適切な調製(適切な溶媒に溶かす)
が重要です。
サンプルに少量の禁止溶媒が混入していても大きな問題につながります。混入した禁止溶媒がキラルポリマーを溶解し、これがカラム性能の急速な低下につながります。
ほとんどの場合、カラムが完全に破壊されているため、カラムの交換が必要となります。