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メールマガジン
[Vol.072 2023年6月号]
Mail Magazine
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「冷やしカラム始めました
(……というのは冗談です。始めていません!)」
暑い季節がやってきました、今年の7-8月は平年並みかそれよりも暑いと気象庁の予報です。 くれぐれも熱中症にご注意下さい。そこで皆さまに、少しでも涼を感じて頂こうと、今回の「よいマネ」では、 “がっつりカラムを冷やしてみたら(-65~-70℃)、充填剤はどうなるか?”をやってみました。今回、試したカラムは、 耐溶剤型多糖系キラルカラムCHIRALPAK® IGと、両性イオン交換型キラルカラムCHIRALPAK® ZWIX(+)です。
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冷やす前のカラムの性能
いつものように、まずは冷やす前の性能を見ました。分析条件はクロマトの下に記載しました。クロマトグラム、溶出時間(t)、分離係数(α)、分離度(R)、理論段数(N)、ピーク対称性(Ps)およびカラム圧力(Press. Drop)を示しています。
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極寒地獄経験後のカラム性能
IGはn-Hex/IPA=90/10に、ZWIX (+)はMeOHに置換して、封止栓をして”ドライアイス・メタノール(-65~-70℃)”にどっぷり3時間浸しました。
その後、カラムを取り出して、室温にまで戻った後、最初と同じ条件で評価してみました。
すると…どうでしょう…“全然、変わっていません、充填剤、充填状態に何ら変化は起きていませんでした。”
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そこで“移動相を通液して、t0マーカーとして使われるサンプルを打ってみた…”
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移動相通液評価の結果
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うむむ… 段数は半減し、カラム圧力は3.5倍くらいまで上がっていますが、特段、ヘンテコりんなクロマトグラムではない…
んっ 使えるのかな?と思ったところで、大事なことに気づきました。“エンドのシール樹脂材料が保たないっ!!”
樹脂の耐寒性は、せいぜい-20℃くらい… よくぞ、液漏れしないでくれました。でも、やっぱり、こんな低温で使い続けると、
いつ、何が起きるか、わからない(液漏れの可能性が高い)ので使ってはいけませんね(他にもUV検出器のセルのシール部材とかもヤバそうです)。
ちなみに、水系移動相なんかで凍らせるとどうなるか? 普通はカラム圧が上がりきってポンプが停止したり、焼結フィルターが傷んだり、凍結箇所次第ではHPLC装置が壊れる可能性もあると思いますが、さすがにそこまではやれませんので、どうかご勘弁を。
⇒ 皆さま どうか取扱説明書に従って、記載の使用温度範囲内(多糖系キラルカラムならば、0~40℃)で、どうか、ご使用くださいませ。
★まとめ
皆さまに涼を感じて頂こうと“冷やしカラム実験(-65~-70℃)”をやってみました。意外なことに、充填剤そのもの、充填状態に悪影響は認められませんでしたが、HPLC用カラムとしての他の部材に問題がありました。
今回教訓:ものごとは一面(カラムパフォーマンス)だけを見ないで全体(シールを含めたカラム管の耐久性とか)を見なくちゃいけない、と猛省しました。
というわけで、“冷やしカラム“は始めません、申し訳ありませんでした、お騒がせをいたしました。
ファーマテックBU ライフサイエンス研究開発
センター長 大西(あ)
協力:同・研究開発センター 元田
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日本プロセス化学会
2023サマーシンポジウムに
出展・発表をします。
(ライフサイエンス製品営業部 宮本)
この記事をご覧になっているときは、既に日本各地で梅雨入りしており、ジメジメした中で早く梅雨明けしないかなと思いを馳せていると思いますが、そんな研究者・技術者の皆様に朗報です! 2023年8月3日から4日に、タワーホール船堀(東京都江戸川区船堀4-1-1)にて日本プロセス化学会 2023 サマーシンポジウムが開催されます。 今年も産官学を問わずプロセス化学に関わる研究者・技術者の皆様が一堂に会する時期がやってきました。
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当社は毎年プロセス化学会 サマーシンポジウムで展示ブースを出しており、今年も皆様のご期待にお応え!?し、出展いたします。
2023年4月に上市した新製品の紹介や高純度キラル試薬の紹介など、キラルに関する製品に加え、新たな試みをご紹介させていただく予定です(どんな試みか気になる方は、是非展示ブースまで!!)。
また、今回は徳島大学 小笠原先生と当社が取り組んできました研究成果を『耐溶剤型多糖系キラルカラムを用いた有効キラル配位子の迅速スクリーニング手法の開発』の題目で、
8/4(金)にポスター発表いたします。本報告では、不斉合成の開発において 有効なキラル配位子構造を予測することは非常に困難であることから、
通常、目的の反応を実施し反応の進行と生成物の光学純度測定を行うことでキラル配位子の有効性を確認しております。しかし、純度分析まで複数工程があり、
時間を要すことが知られています。今回、その工程を迅速化できないかに着目し、極めて簡単な後処理と分析により短時間で有効配位子を見出すことができました。
併せてカラム耐久性試験(150回の打込試験)も実施しました。詳細な内容に関しましては、是非ポスター会場にご来訪いただき、お話を聞いていただければ幸甚です。
会場で皆様にお会いできること、楽しみにしております。是非、お越しくださいませ!
皆さん、旅行の目的は?
(ファーマテックBU生産部 濵嵜)
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新型コロナが5月8日から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行してから、新幹線や在来線も大分混雑してきましたね。皆さん、感染には注意しつつ、少しずつ行動範囲が拡がりお出かけする機会が増えているのではないでしょうか?
私は旅行が好きなんですが、皆さんは如何でしょうか? 私は高校まで広島で育ち、大学は兵庫、社会人になってからは新潟県妙高市(当時新井市)、茨城県つくば市、そして兵庫県姫路市と割と色々な場所に住んできました。子供のころ、両親によく家族旅行に連れて行ってくれたこともあり、家庭を持ってからも家族旅行に行っています。最近はコロナによる行動制限と子供が大きくなりクラブ活動で休みがほとんど潰れるので、ほとんど旅行には行けていないですが。。。
北海道や沖縄は別格として、静岡はおいしい食べ物(うなぎ、抹茶、まぐろ、焼きそばなど)がたくさんあり、また行きたいと思っています。もちろん観光名所も多いですね。まだ行けていない青森、山梨、鹿児島に行ければ47都道府県を制覇できるのですが、自宅の姫路からも今の勤務地の妙高市からも遠いのでだいぶ先になりそうです。皆さんのお薦めの都道府県はどこでしょうか??